2023-01-01から1年間の記事一覧

友人へ――「プリキュア、やっぱり僕より全然好きじゃん」への返答――未来への方向づけ

高校時代に男のプリキュア好きとしてからかっていた友人から、思ってもみない言葉がかえってきた。「プリキュア、やっぱり僕より全然好きじゃん」というのだ。 自分はすこしく困惑した。この三年間、ナントナクでトロプリから見始めた習慣を惰性的につづけて…

小説の勉強

二〇二三年一月、佐藤厚志に芥川賞が授与された。かれはインタヴューで、大江健三郎の文学論『新しい文学のために』が英文科の課題として出されたことが小説執筆の契機としつつ、しかし実際に大江の小説を読むことがいちばん小説を書くうえで参考になったと…

2022年度に読んだ秀作・凡作・駄作大賞

2022年度(2022/4/1~2023/3/31)に読んだ本のなかで、秀作・凡作・駄作だと思った本を3つづつ挙げる。その本の発表時期が2022年度とはかぎらない。 秀作大賞 1等賞 大岡昇平『現代小説作法』ちくま学術文庫 2等賞 渡部昇一『知的生活の方法』講談社現代…

〈評論〉星新一を全部読む(読まない)

実はショートショートはほとんど読んだ 星新一が書いたノンフィクション 筒井康隆いはく「星新一はないないづくし」 星新一の真価はエロ 下品な星新一 星新一とソ連 星新一がほめたショートショート 次回の星新一テーマは「星新一と純文学」かも? 参考文献 …

社会学者・見田宗介の不倫

東大の見田宗介はいはゆる社会学者だとされてゐるが、富永健一ほど実證的なわけではなく、むしろ哲学的なので私は社会学者?だと思ってゐる。高校の頃、国語教科書に載ってゐた見田の評論を読んで、この人のことは記憶してゐた。 その見田が2022年4月に亡く…

舞城王太郎と賞

大江を援用したラノベをさがせ! 尾崎真理子のラノベに対する認識のズレ 私の舞城に対する評価 東野圭吾の舞城王太郎選評 題材としての酒鬼薔薇事件 あまり有名ではない三島由紀夫賞 「熊の場所」の書き直し 参考文献 大江を援用したラノベをさがせ! 『大江…

大江健三郎の文章の癖を真似したい人たちのために(随時更新)

随時更新 以前『もし文豪たちが カップ焼きそばの作り方を書いたら』(宝島社)をぺらぺらめくってみたら、夏目漱石とか太宰治とかいろいろあるなかで、大江健三郎も載ってゐた。あのゴツゴツとした大江構文を期待して読んだが、どうみても初期の大江の文章…

辞書の「神無月」の語源はどうなってゐるのか

はじめに けふ初詣にでかけるあひだに『新明解語源辞典』を読んでゐたら、「かんなづき」の項目にかう書いてあるのを見つけた。 かんなづき【神無月】陰暦十月の称。「かみなづき」の転。「かみなづき」の「な」は連体修飾格を示す助詞「の」と同じような意…