2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

紙の辞書は死んだ?

logmi.jp 四年前の飯間浩明のトークイベントを読んでゐたら、飯間はかう言ってゐた。 ちょうどその時期に、新宿で「語彙・辞書研究会」という研究者の集まりがあったんです。そこで、「紙の辞書に未来はあるか」というテーマで、研究者たちが討論をしていま…

むしろエーミール側に立ってゐた

中学の国語教科書で定番の小説に、ヘッセの少年の日の思ひ出があって、やままゆがを粉々にされたエーミールが、さうか、さうか、つまり君はそんなやつなんだなと言ふ。このせりふが中学生のあひだで飛ぶやうにはやった。どうやら癪に障る厭味ったらしいせり…

漢字でむかつくふたり

評判がいいやうなので新潮日本語漢字辞典を購入したきのふ、思ひ出したことがあった。 以前にくらべ私は漢字に大きな関心を払ってゐない。他方、友人のKは「釁キン/ちぬる」「靉靆アイタイ」といった通用しない、やたらむつかしい漢字を使ひたがる。これは…

読んでもよくわからない本のはなし

世間的には、あるいはまはりの人には評価が高いけれど、私にはわからない本といふのはある。小谷野敦も小池昌代と対談して『この名作がわからない』(二見書房)を出した。全体的に小谷野のわからない小説をわかる小池が説明する体裁でおもしろかったのだが…

世間に通用してゐる旧字

中学のころ私は井上ひさしの『東京セブンローズ』を読んで鹽だの臺所だのまるでちんぷんかんぷんだった。米原万里は書評で旧字がすらすら頭に入ると書いてゐたが、鹽を見て塩だと認知できる人は少いだらう。旧字は世間に浸透してゐない。 しかしある程度は世…