日本語

大江健三郎の文章の癖を真似したい人たちのために(随時更新)

随時更新 以前『もし文豪たちが カップ焼きそばの作り方を書いたら』(宝島社)をぺらぺらめくってみたら、夏目漱石とか太宰治とかいろいろあるなかで、大江健三郎も載ってゐた。あのゴツゴツとした大江構文を期待して読んだが、どうみても初期の大江の文章…

辞書の「神無月」の語源はどうなってゐるのか

はじめに けふ初詣にでかけるあひだに『新明解語源辞典』を読んでゐたら、「かんなづき」の項目にかう書いてあるのを見つけた。 かんなづき【神無月】陰暦十月の称。「かみなづき」の転。「かみなづき」の「な」は連体修飾格を示す助詞「の」と同じような意…

紙の辞書は死んだ?

logmi.jp 四年前の飯間浩明のトークイベントを読んでゐたら、飯間はかう言ってゐた。 ちょうどその時期に、新宿で「語彙・辞書研究会」という研究者の集まりがあったんです。そこで、「紙の辞書に未来はあるか」というテーマで、研究者たちが討論をしていま…

世間に通用してゐる旧字

中学のころ私は井上ひさしの『東京セブンローズ』を読んで鹽だの臺所だのまるでちんぷんかんぷんだった。米原万里は書評で旧字がすらすら頭に入ると書いてゐたが、鹽を見て塩だと認知できる人は少いだらう。旧字は世間に浸透してゐない。 しかしある程度は世…

ヶとは何か

ワンセグをつけたらフジテレビの林修のニッポンドリルといふ番組の再放送があって、ちょっと見てみた。日本語についての問題を芸人らが考へて林が解説する流れだった。 「一ヶ月などのヶは何か」といふ主旨の問題があった。千鳥のノブや麒麟の川島が当てずっ…

とんだ+形容詞はまちがひか? 夏木広介『こんな国語辞典は使えない』のインチキ

けふ図書館へ行って国語辞書の棚を見たら、夏木広介『こんな国語辞典は使えない』(洋泉社)といふ本が目についた。絶版の小学館日本語新辞典を目当てに、きのふ中央図書館へ行ったら、西山里見『講談社『類語大辞典』の研究 ――辞書がこんなに杜撰でいいかし…